過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

あかりの日々の学習と暮らしは GoogleSpreadsheetで学校と共有

あかりが「学校に行かない」と言ったのが8月31日。深く心に決めている。「自分の自由な時間が奪われるのが嫌だ」という。

その気持もよく分かる。だいたいマスクして授業受けているし。そんのお父ちゃんも行きたくない。

なので、「いかなくてもいい。いってもいい。どちらでもいい。行きたくなったら行けばいい」というスタンスをとってきた。

翌日、担任の先生が来訪。あかりと丁寧なお話をしてくださった。
「あかりちゃんに会いたくてきたの。あかりちゃんがいると、みんなも先生たちも元気になるのよ。あかりちゃんがいるだけで、みんな元気もらっている」と。
------------------
話の中で、あかりは「とりあえず行く」という流れになったが、朝になるとやはり「行きたくない」という。「おとうちゃんみたいに、ぴしっといえなかった」と言っていた。そこで、これはもう難しいと見て、校長宛に文書を発行した。9月2日のことだ。こんな趣旨だ。

あかりは、「もう学校に行かない」と決めている。
行かない理由は「自分の時間が奪われてしまうから」。
一斉に学ばされ、時間を拘束されるのが嫌だと言う。
もっと遊びたい、自分の興味のあるものを深めたい。
不登校の理由は、「無気力」でもない。「いじめ」でもないん。「身体的な病」でもない。いわば「積極的自宅学習」を選んだ。親としては、その道もありと思っている。
---------------------
文書を学校に届けていく中で、校長室で話をした。
話のよく分かる校長だった

不登校児という言葉は使いたくない。
あかりちゃんの選択を大切にしたい。
しかし、あかりちゃんの心が学校から離れてしまうのが心配。週一とか運動会とか、なんらかの形でつながっていたい。また、わたしたちも、お子さんの安全と教育に責任があるので、ときどき訪ねさせてもらいたい。

そんな話であった。そして、毎日、ネットで「いかない理由をチェックすると」いうことになった。
しかしやってみて、無意味と思った。しかない理由の選択項目には、身体的な理由、家庭の事情などという項目があり「積極的自宅学習」というのはない。

あかりは、もう行かないと決めている。なので、お互いにそれをチェックするのは、無意味。なるたけ無駄なことはしないほうがいい。むしろ本質的なことを深めたい。形式的なことでやったと満足したくない。そう伝えた。
---------------------
すると、校長から電話があった。「わたしどもは、やはりお子さんの教育、安全、どんな暮らしをしていのか、責任があるので、やはり日々の連絡はいただきたい」ということであった。

もう文書は発行しているし、こちらから教育委員会に直接、文書を発行してもいい。しかし、日々の連絡が法的に決まっているということなら、根拠を教えてくださいと伝えた。

自分なりに調べると、たとえば「学校保健安全法」がある。
「学校生活その他の日常生活における安全」「児童生徒等の保護者との連携を図る」とある。

学校保健安全法 第27条
学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならない。

学校保健安全法 第30条 
学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、児童生徒等の保護者との連携を図るとともに、当該学校が所在する地域の実情に応じて、当該地域を管轄する警察署その他の関係機関、地域の安全を確保するための活動を行う団体その他の関係団体、当該地域の住民その他の関係者との連携を図るよう努めるものとする。
-----------------
校長が言われるのは、ひとつにはこの法律が根拠だと思う。

だとしたならば、たんにネットでクリックするだけでは、むしろ法的な意図は満たされない。たんなるアリバイ的な作業だ。

「じゃあ、こうしましょう」とこちらから提案した。GoogleSpreadsheetに共有をかける方式だ。

①あかりが登校しない理由を毎日連絡するのはお互いに手間。「学校に行かない。家で学ぶこと」をあかりは選択しているので、ベースとしては学校に行くことはないのだから。

②そのことは、すでに文書で伝えているので、お互いに手間のかかるようなことはやめたほうがいい。

③しかし、学校には子供の安全と教育と暮らしを見守る責任があるのだろうと思う。たとえば、学校保健安全法など。

④しかし上記の法律によれば、機械的なチェックのやりとりだけでは意味はない。法的な趣旨は満たされない。

⑤こちらであかりの日々の記録を作成していく。あかりの日々の学習の成果、池谷家の動き、学校からの連絡という項目を作って、クローズドでGoogleSpreadsheetに共有をかけることする。学校からアクセスししてもらいたい。

それで、校長も納得してくれた。
---------------
昨日は、担任も先生がきてくれた。一週間分のプリントを持参。
あかりも先生の横にすわって、もじもじしながらとやり取りはできた。
訪問してくれた時、迎えにいって、こんにちわと挨拶できた。帰るときも、玄関までおくりにいった。

ともあれ、この山里の学校は、校長も担任も、とても理解があってありがたい。きめ細かいフォローがあありがたい。生徒数の少ない(同級6人)山里ならではだなあ。

というわけで、あかりはわたしの取材の仕事、鍛冶屋さんに行ったり、手漉き和紙職人を訪ねたり、滝に寄ったりしている。きょうは、福田港に出かけてシラス丼を食べる。

学習は、国語辞書に付箋を貼ったり、絵本の音読、計算ドリル、九九、図画工作をしている。

ただ、友達。仲間がいないので、どうしても威張りだす。小皇帝のようになってしまう。そこをどうかするか。武道を習わせたい。この施設を開放して子供の遊び場とする。いろいろ試行している。