過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

ハラに決めたら、すんなり動くもの

いつものぶらり旅なのだが、予約日を決めないオープンチケットではなくて、帰りのフライトの日時は指定されている。だが、リコンファームしないと乗れない。
 
リコンファーム(予約再確認)。航空会社にその飛行機に乗る意思を示す。  これをしないと、期日指定のエアーチケットでもキャンセルされてしまうことがある。
 
ものすごい山奥とか離島に行ってると、電話がなかったり通じなくて、リコンファームできないことがある。当時は、電話がなかなかできない時代。なにしろ、今から30年くらい前の東南アジア。
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バリ島への旅。足を伸ばしてとなりのロンボク島に行き。そのまた離れ小島のトラワンガンという島にでかけた。
 
ちっちゃな島で、すごく海がきれい。フェリーボートが海の上でエンスト起こしたり、島に着くやキングコブラがいたりして、おそろしい思いもしたが。
 
そこで、しばらくのんびり滞在していたが、フライトが迫る。リコンファームしなくちゃいけない。ところが、その島には電話がなかった。こまった。フライトは明後日だ。まあいいや、バリに帰ればなんとかなるか。
 
そうタカをくくっていた。帰りの船は、ラマダン(日昇から日没まで一ヶ月の断食)明けで、お祭騒ぎ。ものすごく混んでいた。
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バリに着いて、デンパサール空港に行く。カウンターで言われたのは、「フライトとは諦めろ。ウェイティングリストが200人もあるんだ」。
 
一ヶ月に及ぶラマダン明けとなると、大勢が移動する。バリからジャカルタまでの便がものすごく混んでいた。それにしても、ウェイティングリストが200人かぁ……。これは無理だなあ。どうなるんだろう。
 
しかし、その日に、帰らねばならない用事がある。東京で引っ越しのために、トラック数台を手配してある。自分がいないと、たいへんなことになる。
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どうしたか。
 
きめた。
ぜったいに帰ると決めた。
ほんとうにそのフライトで帰るんだとハラに決めた。
もう揺るがない。自分の世界では、それ以外にはありえないと。
 
翌日、空港に行く。
「ぼくは、このフライトで帰る。なにがなんでも帰る」。
そう空港会社のカウンターで、伝えた。
 
すると、不思議や不思議。
200人の待ちの人をすっ飛ばして、ボーディングパス(搭乗券)が1番だった。ほかの人たち、ごめんなさい。
 
それで日本に帰ってきたのだった。
ものごとはダメだと思ったら、そのとおりダメ。心底すすむときめたら、事態は動く。ハラに決めたら、すんなり動くもの。そう実感した体験だった。
 
まあ、もとはといえば、ちゃんと事前に準備しておけばいいわけだ。それをいつも怠るので、こうしたギリギリの綱渡りの旅になるのだった。