過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

熊が暮らせる森にしていく

なにげに昔のメモを見ていたら「日本くま森協会」の森山さんの講演を聞いたときのメモを見つけた。12年前のことだ。以下、メモから。
--------------------
動物はものを貯めない。人は貯める。なぜか、それはお金があるから。
お金がなかったとしたてら、ものを貯める。でもものはかさばるし腐るし限界があるお金は、かさばらない、腐らない。なので、貯めておこうとする。
北越雪譜」に、クマに助けられた男の話
先進国で、クマ、サル、イノシシ、鹿などが生息する国は、日本だけ。
日本は、森なくして人なし。森に手を合わせて生きてきた。畏怖と畏敬の念をもっていた。
奥山と里山と、棲み分けてきた。日本人は、いわば森の民だった。
住宅、おわん、薬、紙、燃料、すべて森からいただいてきた。ところが、エネルギーが石油になって、森を壊していった。
-------------------
戦後の、植林計画、拡大造林が問題だ。奥山を杉山にしてしまった。
当時は、建築ブームで、材木は、飛ぶように売れていった。杉山御殿が建った。
しかし、やがて外材が入って売れなくなった。すると杉山に手を入れなくなって、日は差さず、死の森になった。放置人工林は、全体の70%になるという。
下草が生えない。虫がいない。木の実がない。動物がいない。熊などはエサがなくなるので暮らせない。
杉や檜は、保水力がない。根も深く張らないので、土石流の災害が起きる。
豊富な水源。その水は、豊かな栄養を含んでいる。それが海に流れると、プランクトンが増えて、魚が増える。遠洋までいかなくても近海で魚が捕れた。
その水は栄養価があり、水田に流せばよい米ができた。
そのうち湧き水が枯渇するようになる。
「クマさんが棲んでおられる森から、水をいただいてわしらは生きてきた」のだ。
-------------------
アメリカの自然保護団体、800万人。
イギリスのナショナルトラスト、300万人。
「日本くま森協会」は、ナショナルトラストを行い、放置された人工林を伐採して、広葉樹の森にしていく。熊が暮らせる森にしていく。
冊子のイラストは、友人のやまふじままこさんが描いた。

f:id:ichirindo:20200705134740j:plain

f:id:ichirindo:20200705134747j:plain