過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

足腰から弱ってくる。いかに楽しく運動できるか。

歳を重ねると、足腰から弱ってくる。つまづいて転びそうになる。転倒すれば、大腿骨を骨折したりする。そうなると、長期入院だ。筋肉は退化する。そして、脳の認知能力も衰えてくる。
風呂ですべって転び、大腿骨を骨折したOさん(89歳)が、やっと退院。今年はじめての利用日となった。送迎のとき、慎重に介助。施設に来られたら、トイレに行くとき、風呂、立ち上がる時、座る時、ふらつきそうになるのを介助する。
また、初めての「おためしデイ」にKさん(91歳)が来てくれた。歌ったり会話したり、手首や指回しなど楽しんでおられた。けれども、長時間座っていて、トイレに行く際に、すこし足がもたついた。
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それで気がついた。「足腰の運動」をしなくちゃいけない。
しかし、反動を使って息を詰めたラジオ体操のような動きは、きついし楽しくない。リードするこちらもおもしろくない。
それぞれの身体状況に応じて、ゆったり、ゆっくり。息を吐きながら、吸いながら、筋肉の伸び縮み、関節の可動域を広げていく動き。「イタ気持ちよさ」を味わうような動き。ヨーガや気功のような動き。
できるだけシンプルなのがいい。
たとえば、その場で「足踏み」。両手を机について安全な足踏み。しかし、いちにさんし……とやるのでは、楽しくない。
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では、歌いながらの「足踏み」にしたら、おもしろくなるかな。
どんな歌がいいだろうか。
たとえば、 「村祭」(村の鎮守の神様の 今日はめでたい御祭日)、「四季の歌」(春を愛する人は心きよき人)、「早春賦」(春は名のみの風の寒さよ)も「ずいずいずっころばし」、「てんてんてんまりてんてまり」とか。
そして、机に手をついて、ゆっくりと左右に腰を曲げる、あるいは膝を曲げる。そのときの歌は、たとえば「海」(海は広いな大きいな)「ゆりかごの歌」のようなゆっくりしたものがいいか。
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こうして、日々、工夫して創り上げていく。利用者さんの反応、反響、動きを見て、また改善していく。こうして毎日、ワークショップをリードする体験をさせてもらえる。ありがたい。その過程こそが、じつに楽しいことよ。