過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

尺八のコンサートと水たまりの溝を掘ってくれた友人

きょうのデイ。
尺八の師範、鈴木昇畝(しょうほう)さんによる慰問コンサート。トンコ節、まつのき小唄。お富さん、かあさんの歌など、むかし懐かしい歌を尺八で演奏してくださった。
藁打ち仕事、縄のないかた、昔の山里の子どもたちの履物についての語り口もわかりやすく、おもしろかった。
昇畝さんは84才。尺八などの指導、天竜日中友好協会の会長などを務めておられる。毎月、施設での慰問コンサートをやっていただけることになった。ありがたい。
---------------------
友人の田中さんも参加してくれた。奥様は、60代でアルツハイマーを発症され、この施設を3年間、利用された。その奥様が亡くなったのは、2ヶ月前。田中さんは自ら棺桶を作り、心のこもった手作り葬をおこなった。
「尺八の演奏があるので聞きに来てね」とお誘いしただけであった。時間が来る頃、なにげに窓の外を見ていたら、施設の前でツルハシで溝を掘っている人がいる。誰かなあ、何しているんだろう、どこかの業者かなあ、と思っていたら、田中さんだった。
---------------------
田中さんは、施設の前の通りの水たまりなど、黙々と溝を堀って水たまりを解消してくれたのだった。また、利用者さんの送りでも同乗して介助のサポートをしてくれた。
依頼されるわけでもなく、気づいたことに対して身体が動く人だ。
ぼくも、つべこべ言わず、さっと身体が動くようでありたいんだけど、なかなかそれができない。知識がない、ワザがない、ビジョンがない。機敏に動くというありように欠ける。
「水たまりができて困ったなあ……」で終わっているわけだ。まあ、せいぜい、そのうち4トン車で砕石を運んで埋めてもらおうか、「そのうち・そのうち」というところであった。
こうしていろいろな方の動きから、日々、学ぶ機会がたくさんある。

f:id:ichirindo:20191218234546j:plain

f:id:ichirindo:20191218234550j:plain

f:id:ichirindo:20191218234558j:plain