過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

耳が遠い方との交流

デイサービスでは、みなさんが、いちばん楽しいのは会話だ。たんなるおしゃべり、作業しながら、工作や塗り絵や料理しながらのおしゃべり。そういうことが、楽しいと思う。
ところが、年をとると耳が遠くなる。そうなると、会話の輪に入れない。孤独になりやすい。
利用者さんの中には、ほとんど会話が成立しない聴覚障害の方が2人おられる。
ほとんど筆談となる。100均のホワイトボードを使ってやり取りする。ときにはiPhoneの音声入力で、文字を拡大してみせたりする。
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Sさん(99歳 女性)は、それでも楽しそうにニコニコして、塗り絵をしたり、楽しい言葉を発する。だが、Wさん(88歳 男性)は、すこし孤独そうだ。
Wさんは、書道をしたり、般若心経を書写したり、読書やオセロゲームをして一日を過ごす。
きょうは、尺八の先生の慰問コンサートがあり、尺八の音がすこし聞こえたようだった。「白い花が咲いてた」という曲に心が動くところがあって、自分でもニコニコして立ち上がって歌いだしていた。
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その後、「月の砂漠」をハーモニカで吹きたいと言い出した。譜面を持ち出してきて、「どれがドだ、どこがファだ」ということになった。五線譜を書いて、「これがドだよ、レはこれ、ミは」という説明をして、ピアノの鍵盤に「ドレミ……」とサインペンでマークして、ポンポンと鍵盤を押して説明した。
ちょうど、米寿を迎えて、誕生パーティーをやった。その年にして、自分で探求していこうというところがすばらしい。なにか、いいすごし方が、なにか、楽しいテーマが見つかるといいなと思うが、なかなか難しい。