過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

語ることで、悲しみ・苦しみ・寂しさが、癒えていくことにもつながる

きょうのデイ。

人生、なにが楽しいかというと、気の合った人との自由で気ままなお喋りだろう。

人の話を聞く。いろいろな人生、いろいろな苦労があることがわかる。自分の話をする。聞いてくれる人がいる。語ることで、悲しみ・苦しみ・寂しさが、癒えていくことにもつながる。
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山里はお年寄りが多い。しかも、ひとり暮らしが増えている。
とくにやることもない。一日中テレビをつけっぱなしにしている。

そうして、気楽な交流といっても、難しい。そういう場がない。クルマがない。足腰が弱い。気の合った人がいるかどうか、わからない。

そのあたりをうまく結びつけて、交流の場をつくることが、ぼくのこれからのひとつのテーマ。
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先日、私設図書館「まほろば文庫」でお会いしたYさん。80歳近く。

夫は、パーキンソン病になり、倒れて救急搬送。病院では誤嚥を心配して、胃ろうで栄養補給。4ヶ月後に亡くなった。いまはひとり暮らし。とくにやることもない。寂しくてつらくて、毎日、泣いて暮らしていたという。

あまりにつらくてどうかなりそうなとき、友人のすすめで医者にかかった。精神安定剤が処方された。飲むと、眠くなる。昼も夕方も、うつらうつら。夜は夜で、睡眠薬を飲んだので、また眠った。これじゃあいけないと、クスリは断った。

免許は夫の介護のために、時間がなくて更新ができず、なくなってしまった。あまり外出もできない。耳が遠くなったので、話もはずまなくなった。
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「じつはこんど、デイサービスの事業を継承する」と言うと、「遊びに行きたい」という。

利用者さんとも顔なじみが多いようなので、「お喋りの場として、あそびにきてね。なにか、歌でも演奏でも、慰問に来てよ」と伝えたのだった。