過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

過疎の山里で、元気に普通に暮らしている90代の方の本作り

過疎の山里で、施設に入らず家で元気に普通に暮らしている90代の方。その暮らしぶり、これまでの生き方、体験からにじみ出た光る言葉をみつけていこうとする企画。

こういう企画はおもしろい。けれど、ボランティアというか趣味というか、ビジネスにはならない。

ところが、東京の出版社(すばる舎)のほうから、声がかかった。ちゃんと書店流通する企画だ。よくある買い取り、自費出版、広告料を負担しろというような出版社じゃない。
-------------------
かつて、健康長寿座談の機関誌にぼくが取材した記事を見て、その方の本を出したいというのだ。しかし、あれから3年。その方は、がくんと老化してしまい耳も遠くなった、体も動かない。

では、オムニバス調(いくつかの独立したストーリーを並べて、全体で一つの作品)で、山里の元気にお年寄りを取材して本にできないかということになった。ありがたい縁として、仕事を引き受けることにした。

さて、そういう目で見てみると、この春野町だけでも知っている方は10人はいる。たとえば、こんな人たちがいる。
--------------------
①ひとりで食品店を経営。仕入れから販売、店番、客との対応、レジをう打つ98歳。

②たった3世帯の限界集落(かなりの秘境)で、三人(80〜90代)が寄り集まって食事会をしておしゃべりしている。その長老が93歳で、いちばん元気。

③食堂と飲み屋、店に出て客と対応もする。日本舞踊の名手の91歳。

④94歳の夫と山奥で暮らし野菜もつくっている93歳。

⑤8歳から一日も休まず日記を書き続けている。難しい古文書も読める。モールス信号も打てる。神社の神官も務めた93歳。

⑥大木を伐採し、木に登って枝打ちもする91歳。

⑦和紙づくりを継承している91歳。和紙で制作した人形や能楽面が見事。

⑧地金づくり、刃研ぎ、販売まですべて一人で行っている鍛冶屋の91歳。

⑨まるで尼寺のようにきちんと整理整頓した暮らしをしている91歳。

ちぎり絵の名手。地域の寄り合い場として穏やかに良いスペースをつくっている93歳。
--------------------
ほとんどが春野町で近所である。まだ、さがしていけば、おもしろい人たちが、さらにいると思う。

とくにすごい人だとか著名とか、なにか表彰されたとかじゃなくて、普通の人。普通の人であり、満ち足りた暮らしをしている。みなさんのお役に立っている。そこがすごいこと。そういう人たちをとり上げたい。

問題は、高齢なので、やりとりを通して、光る言葉を引き出せるかどうか。かなり写真を掲載することになると思うが、けっこうハードル高し。

さてタイトルは。
「こんな過疎の山里、90代ジジババの生き方と暮らし」あたりかなあ。