過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

大企業は、大学名によって入社選抜を行っている

「しっかり勉強して、いい成績をとる」。それは、「いい学校に行くため」。「いい大学に入るため」。それは「いい会社に入るためのパスポートになる」。「いい会社に入れば、カッコいいし安泰。勤めあげれば老後も安泰」と。
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大企業は、大学名によって入社選抜を行っている。かつて、会社訪問解禁日にある商社を訪問したとき、「入り口」には、「本日は東大、一橋、早慶のみ」と張り紙がしてあった。
人気企業は、たくさんの人に応募されると、対応できない。応募者を、大学名でふるいにかけている。これまで、そのようして採用してきて、外れがなかったからなんだろう。
「どんな勉強をしたきたか」よりも、まずは「大学名」にこだわる。その次に、成績が考慮される(優の数)。そして、面接で人物と。企業は終身雇用だから、いい会社に入ってしまえば、もう安泰。
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そういうことだから、学生は、大学入試のための勉強はするが、入学したらもう勉強しない。ましてや、ぼくたちの時代は、みんな授業に出なかった。
しかも、学生運動の残り火があった。革マルの拠点校だったし、火炎瓶が学生会会館に投げ込まれたりして、なにかと物騒だった。ますます授業に出ない。勉強しない。留年した。
それでも、なんとかいい会社に入ることができた。しかし、ぼくは組織に向かず、上司とうまくやれない。こりゃいかん。おもしろくない。じっと耐えていれば、なんとか出世したかもしれないが、そういう我慢が足りなかった。
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それでも12年間もサラリーマンをしていた。でも、やめてしまった。勢いでやめてから困った。「はて、いったい自分は何に向いているのだろうか?」「自分の得意な土俵って、何なんだろう?」と、はじめて真剣に考えはじめたのだった。
それで、「どうも自分は、仏教とか宗教を学ぶのが好きなんだ。それで食っていける道を探そう」。そう考えた。
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とはいうものの、「ではどうする?」。「出家しろ」と日蓮宗真言宗臨済宗曹洞宗のお坊さんから勧められた。「弟子にならんか」と誘われたりした。でも、僧侶の道じゃなくて……と悩んだのだった。