過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

お月さまは山越しの阿弥陀仏という風情

おさんくー、おさんくー。何度も言う。んん?なにを言いたいのかな……。ああ、そうか、お散歩いくー、と言っているのか。

あかりを肩車して、夜のあぜ道を歩く。山の向こうに大きな満月がぽっかり。十五夜だ。なぜか山越しの阿弥陀仏という風情を感じた。(本来は、阿弥陀仏は山に沈む夕日のイメージだけど)

お月さま、きれいだねーと言うと、おつき きえいー。きえいーと、あかり。

川の流れがざざざざーーー。草むらから、チンチロリン、チンチロリン。リーンリーン。ヒリヒリヒリ。秋の虫たちが、まだまだ元気に鳴いている。

どーんどーん、かかか、どどんがどーん。近くで、太鼓の響きがする。祭りが近い。

しばし歩くと、おうち かえうー、おうち かえうーと言い出す。ああ、帰りたいんだね。んじゃあ、帰ろうか。