過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

でも、いったい何をほんとうにやりたいの? と問われるとこれが困る

講演の依頼を受けた。禅宗の本山の研修会で話してもらいたいという。とくにテーマはない。なんでもいいというのだが。

依頼してくれたお坊さんは、Facebookでぼくの発信していことは読んでいてくださるし、じかに何度もお会いしている。池谷さんの日常のままでいい、ということなんだけれども。

さて、なにをどう話したらいいか。これもあれも、こんなことやってきた、あんなことも……と幕の内弁当のような話になりがちだ。しぼりこまないとなぁ。

ふりかえれば、都会暮らし40年を経て、田舎暮らしを思い立ち、過疎地の山里に移住して7年。

のんびりとした山里暮らしのつもりが、山里の人の魅力を伝える企画をしていくうちに、ひろがっていった。NPO法人を立ち上げて定住促進事業がはじまり、5反の耕作放棄地をよみがえらせてのコメ作りなど、慣れない農作業を仲間とすすめる。

本業の編集と執筆、出版業をぼちぼちやりながら、やはり専門は仏教や宗教の世界に。神社とお寺を人々とつなぐ「神社・寺カフェ」の企画から、「納得のいく看とりとおくり」の企画のことなど。

でも、いったい何をほんとうにやりたいの? と問われるとこれが困る。まあいつも、おもしろそうだと思ったら企画していく。縁にしたがって、ということだ。これが楽しいんだけど、あとから収集がつかなくなって困ってしまうという現実。さらには子どもが生まれて、なかなか身動きができなくなっているという現実。

そんな自分のこれまでの素材からお坊さんたちが、満足してくれる話ができるだろうか。