過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

少額訴訟というのがある

「借金を払わない男から回収したい」。知りあいの坊さんから相談を受けた。「ああ、それなら少額訴訟というのがあるよ。手間がかからない。たった一回の審理で、その日のうちに、判決が下りる。それをしたらいい」「じゃあ、お願いしたい」「うぅーーん、いま田植えと子育てで忙しい」。

普通、裁判というと一年も二年もかかって判決が下りる。この場合、たった一回で完了。これは、60万円以下の金銭の支払を求める場合だけだ。で、判決に不服なら、「異議」を申し立てれば、通常の訴訟の審理が行われる。そこからは、通常の裁判なので時間がかかる。

ともあれ、手っ取り早い。一日で完了だからね。裁判所の判決だから、なにしろ重みがちがう。強制力がある。金銭を支払わなければ、強制執行ができるのだ。

ただ、いろいろ問題がある。まず相手の住所がわからないと難しい。そして、借金を払わない人というのは、お金がない。「ないものはない」といわれたら、どうしようもない。財産を差し押さえて競売にしたって、ほとんどが二束三文。費用だけがかかってしまう。まあ、そんな話をした。