過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

米ぬかをさがしていた

完全無農薬・無化学肥料でお米をつくる。除草は手作業、そしてアイガモにやってもらう▲問題は、肥料だ。完熟堆肥などをいれるわけではない。先達にきくと、刻んだ藁、落ち葉を入れる、籾殻堆肥を入れる、という▲かれらが言うには、「米ぬか」がいい。1反(1000平米)あたり、「米ぬか」100キロくらいを撒く▲それでいま、「米ぬか」を集めているところ。なかなか入手が難しい。だが、さきほど農協に聞いてみたら、15キロで617円、何百キロでも入手可能だった。やれやれ。

いや、まてよ。その「米ぬか」は、ほとんどが農薬散布の田んぼから収穫されたお米の「ぬか」だろう。それでも、問題はないが、やはり無農薬にこだわってみたい▲けれども、完全無農薬の「米ぬか」を集めるのは、容易ではない。かなり高価なものになる。

自然農法の友人のTさんに聞いてみた。うちは、まったく無肥料でちゃんと1反あたり7俵収穫できている。「米ぬか」もクズ大豆も入れなくても、ちゃんと収穫できている、という。それは立派なものだ▲それなら、なんにも肥料をいれないでいけるかもしれない。とくに、20年間放置された休耕田は、それまで堆積された草などが肥料となっているので、問題ない▲昨年収穫した田んぼは、お米となって栄養分が枯れてしまっているかもしれないが、アイガモを放つことによって、アイガモの糞が肥やしになるだろう。

そもそも肥料は、川の水から運ばれてくる。山のてっぺんから、じわじわと葉っぱなどの栄養分をたたえた川の水が、肥料となって、お米が育つ。そんなふうに思う▲こうしてなにもわからず、手探りで先達に聞いていく。あれこれと試行錯誤、実験していく。ひとつひとつ、失敗を重ねて、わかってくる。みえてくる。そんな過程にこそ、学びがある。それが、米作りの楽しさではある。