過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

限定した地域でのイベントに方向転換。でも「人めぐり」は軸。

これまで、ひとりで動きまわってイベントを仕掛けたりしてきたけど、わあーっと盛り上がって賑やかになっても、終わったらさっと熱がなくなる。ぼく自身は、ネットワークができてノウハウが習得できて、無形の財産になっていったけど、まあしかし、なかなか消耗となる▲山里暮らしを訪ねるオープンハウスも企画した。一回の来訪者は、延べ3,000人ほどだった。ものすごい山奥にも僻地にも、まちなかの人が来てくれたのは、とても意味のあること。しかし、主催者としては、東京23区の1.5倍の広さのというあまりに広大なこと、地域ごとの連携が伴わないので、継続運営にパワーがいる事業だった。

ということで路線の転換。限定した地域でのイベントに集中しようと思っていた▲その流れのなかで、3月に2つのイベントをすることになった。ひとつは「昭和レトロの二俣めぐり」。そして「百古里(すがり)めぐり」だ▲ともに、販売が目的ではなくて、「人めぐり」がポイント。山里に暮らす人にあってもらう。その暮らしぶり、生き方にふれてもらうのだ。こうして、まちなかの人と山里の人が交流することで、それは息の長いものとなる▲観光と物産の販売だけで、そこに人のつながりがないとつまらない。継続性がない。人がいてこそ、魅力がある。たいして景色がよくなくても、そんなにおいしいものがなくても、いい。楽しい人、魅力的な人がいれば、ふたたびそこを訪れてみたくなる。こうして「行きつけの田舎」ができるようになればいい。

そんなことで、二俣の地と百古里の地で、イベントを仕掛けているところ▲ひとつは、自由な店や工房、民家を訪ねてもらうオープンハウス。訪ねながら山里を散策してもらう▲いくつかのお寺や資料館など、そこの住職や館長が講座を持って話してもらう▲公民館では、地元の人が五平餅や手打ちそばなどをつくって提供する▲地元のアーティストの展示やライブ演奏がある▲地元の古老やユニークな生き方をしている人たちが、古民家でリレートークを行う。──こうしたことは、狭い地域に限ったことだからできることだ。そして地域のつながりで、クチコミもサポートの仕合も起きて、相乗効果が出てくる。

ぼくは基本的には、そういうコンセプトワークを行う。いわばプラットホーム作りだ▲そして、チラシやホームページなどの広報を行う。コンテンツのいろいろなところは、地元の人たちが自主的に企画していく▲そんなことになれば、楽しさが倍増。ぼくもらくちん。そんな流れにしたいと思っているところ。さて、どうなりますか。