過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

アーユルヴェーダの第一人者・幡井勉先生を訪ねたときのこと

インドの伝承医学・アーユルヴェーダのことを書いていて、幡井先生のことを思い出した▲先生は、アーユルヴェーダの第一人者で、鍼灸、漢方、西洋医学の長所を取り入れて治療に活かしていた▲先生をお訪ねしたのは、10年も前のこと。元聖路加病院の婦長をされていた奥さまが、なんとも可愛くてステキな方だった。当時、先生は86歳、奥様は92歳。このお二人のすがたをみたとき、アーユルヴェーダってすごいなと思った。

アーユルヴェーダは、「未病を治す」「いかに病気を未然に防ぐか」に重点をおく。〈ドーシャ〉という「気のエネルギーの流れ」の変動サイクルに沿って、生活するのがいいという▲寝るのは、午後6時から10時までが眠りに入りやすい。起床は、2時から6時の間がいいという。先生が寝るのは午後9時、起床は3時。

食事は、午前10時から午後2時の間がいちばん消化力が強い。だから、昼食に重点をおく▲消化力が弱いと、食物が完全に消化できず、〈アーマ〉という未消化物がたまってしまう。そうなると、体内に張り巡らされている管(リンパ管や血管など)を閉鎖させる。万病のもとである〈アーマ〉を浄化するには、〈パンチャ・カルマ〉という身体浄化法がある▲自分でできるかんたんな浄化法としては、一日に2リットルの白湯を少しずつ1日かけて飲むといい。そうすると、体内にたまった毒素は、尿として排出されるという。

……そんなお話をお聞きしたのだった。お二人の人柄、お顔がステキなので、また写真を撮らせてもらわなくちゃと思いつつ、ついに行けなかったのは残念だった。先生は、4年前に亡くなられた。