過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

春の山菜はありがたいけど、食べ過ぎて日光過敏症になったことがある

この山里は、春の山菜がたくさん。タケノコにフキ、ワラビにゼンマイ、セリにノビルに……。おいしくいただきたいところだが、ほどほどにしている▲というのは、山菜をとりすぎてえらい目に遭ったことがあるから。二年前のことだ▲春の草なら、どんなものでも食べられそうだと、いろいろと試してみた。カラスノエンドウ、アカザ、タンポポの葉っぱまで。ゆがいて胡麻をふりかけたら、なかなかおいしかった。

そうして数日後。風呂にはいると顔がヒリヒリしてきた。やがて、真っ赤に腫れ上がってきた。火照りで熱がすごい、痛みもある。アレルギーかと思った▲町医者に行くと、これは日焼けだという。にしても、そんなに日に当たっていない。おかしい。

やがて、日光に耐えられなくなってきた。日の光が物理的に肌を刺してくる。家の中でもつらい。遮光カーテンをして過ごす。蛍光灯の光も肌にきつい▲外出するときは、帽子にサングラスにマスク、首にはマフラー、手も手袋▲痛みがなくなると、こんどはかゆみだ。痛みよりもかゆみがつらい。かゆくて眠れない。ホホバオイルを塗る毎日。アトピーの人の苦しみがわかった。

大学病院で精密検査すると「日光過敏症」だという。紫外線アレルギーだ。原因はというと、どうも日光の吸収を盛んにする山菜を食べたことかもしれない、という▲もう日に当たれない、日中は外出できないという人生になってしまったのかと、えらく絶望的になった。なにしろそれまで、インドでもどこでも、炎天下を帽子もかぶらず、平気で歩いていたんだから。

こんな日々が一ヶ月くらい続いて、やがて自然に治った▲いまはたぶん大丈夫だけど、やはり直射日光は避けるようになった。そんなわけで、春の山菜は、ほどほどにしている。