過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

怒りの起きる瞬間をつかまえる、怒りが解き放たれた瞬間をつかまえる、怒りを収めようとする瞬間をつかまえる

〈怒り〉を観察するというのが、大きなテーマだ。近ごろ、怒りが沸(湧)いた事例が二つ▲一つは、失礼なものの言い方で突っかかってきた相手に対して、怒鳴りつけたこと。一つは、お役所の非効率な対応についてクレームをつけたこと。

後者の方は、組織の上へ上へと攻めていくことで、迅速な対応がなされた。役所は丁寧で礼を失するということはないので、喧嘩になるはずがない▲先方は、憎たらしいと思っているかもしれないが、じっと耐えてくれているわけだ。だからこちらも、静かにクールにモノを言っていた。まあ、安全圏内の戦いと言える。

ところが、普通の人と人との場合、エスカレートしていくことがある。かなり危険水域だ。相手がいかに理不尽でも、こちらが耐えれば喧嘩にならないが、こちらも〈あたま〉にきやすいタチなもので、ときに怒りをぶつけてしまう▲怒りのエネルギーというのは、スイッチが入るとどんどんと暴走するので、ちょっと収拾するのは難しい。そうして、互いにそうだし。

で、あとになると、まあ、あそこまで言わなくてもよかったな、ちょっと我慢すればよかったな。これで人間関係は破綻だな、とうてい修復は無理だな……ということにもなる▲ということで、今月は、怒りの観察月間だ。怒りの起きる瞬間をつかまえる、怒りが解き放たれた瞬間をつかまえる、怒りを収めようとする瞬間をつかまえる、そういう観察をしていこう。