過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「ちっ。すいませんじゃねーだろ!」 そう言われた。

「ちっ。すいませんじゃねーだろ!」
そう言われた。
あかりとイオンの店に立ち寄って、駐車場に行くためにエレベータを待っていた。
エレベータがやっとついた。扉が開く。
  ▽
中に乗っていたのは、親子連れ(お母さんと赤ちゃん)、ベビーカー2台。
乗り物は出る人が先、乗る人は後だ。

瞬間、出る気配がない。
ので、あかりと中に入ろうとすると、その方たちも「あれ?4階だ」と言って出ようとする。
入る私たちとその親子は、互いに道を塞ぐことになる。はたと戸惑う。
  ▽
それでこちらから、「あ、すいません」と謝る。
すると返ってきた答えが「すいませんじゃねーだろ!」だった。

「あれ、こわかったね」とあかりが何度も言う。
  ▽
──おもしろいのは、こういう現実そのものなんだよ。こういう普通の暮らしの出来事が漫画を描いたり書物のネタになるんだよ。

海賊とかギャングとか魔法使いの物語よりも、こういう普通の暮らし中に怖いこと面白いことがたくさんあるんだ。

そうあかりに言ったのだった。