過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

あかりと「すごい90代」の本を納品してきた

川のほとりをどんどん走っていく。途中、こないだの水害で道路がえぐられ、道路も冠水したことがわかる。さらには、がけ崩れも見られた。樹齢50年くらいの杉の大木が根こそぎ倒れて川に落ちていた。
そんな山奥の一軒家に、ひとり暮らしの鈴木末吉さん(92歳)がいる。「すごい90代」の本を25冊も注文をくれた。あかりをつれて持っていく。
末吉さんの家のそばには鉱泉が出るので、そこからポンプアップして、湯治場みたいな風呂の家を作っている。ニホンミツバチを飼育し、ハチがぎっしりいた。さらには、アマゴの養殖もしている。
大木をチェーンソーで伐るし、自分で炊事、洗濯、アイロンがけもする。
「円安でインフレがくるぞ。銀行に預けていたら目減りするばかりだ。ドルを買ってもそのうち下がる。株式投資も難しい。しかし、配当率のいい株をもつのもひとつの手だ。日本郵船配当利回りは、なんと13%だよ」
まったくしっかりしていて、やりとりもてきぱき。
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帰りに「いっぷく処」でソフトクリームを買って食べる。らいでんさんの家に寄る。ひとり暮らしの巳代次さん(92歳)のお宅も寄る。かなり足が弱って、よろけながら出てこられた。「人のことなんか考えて生きていられんよ。もうこの年になると、自分のことばかりで精一杯だ」と。
それから春野図書館。新聞のまとめ読み。あかりは、ひとりで図鑑や絵本を読んでいられるようになった。うちしかいないので、行儀が悪いが寝っ転がって読み出した。
こうして2時間も過ごすことができたのは、おどろきだ。こうやってときには、図書館で過ごすというのもいいね。
地元の高須書店の店主に道端で会う。「本を書きました。地元の春野の人がほとんどです。置いてくださいね。ほら、ここのイオンの未来屋さんは、レジ前にこんなに面置してくれていますよ」と写真も見せて本を渡してきた。
駐在所のおまわりさんにも、贈呈してきた。早めに本を渡しておきたいと思っている人にも、道でばったり出会った。
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山奥暮らしなので、出かけるとなれば、あちこちと寄ることになる。あかりも、なんとか付き合ってくれるようになってきた。