過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

サイババの旅①

サイババの旅①〉

なにやら煙臭い。人がどたばたしてわーわー言っている。深夜の2時くらい。
となりのマットから炎が出ている。みんながそれを消そうとしている。
わたしは下痢のため、まったく動けない。

燃えていたマットは、一昨日前に亡くなった人が寝ていたのだそうな。翌朝聞いた話である。
 ▽
サイババのアシュラムにたどり着いた日のことであった。

南インドケララ州、コーチンでエビを焼いて食べたのがあたったらしい。腹痛だ。飛行機でバンガロールまで飛んだ。インドのシリコンバレーと呼ばれるバンガロールからバスで4時間余。プッタパルティに着いた。
そこに、サイババのアシュラムがある。空港がある。無料で治療が受けられる病院がある。空港がある。高校や大学がある。ひとつの巨大な王国。

受付を済ませて、体育館のような大きな部屋に案内された。大きな部屋だ。100人くらいの人がいたろうか。世界のバックパッカーたち。となりの人は、スペイン人だった。
「コモエスタ セニョール」と言ってみたら、発音がすばらしいと驚かれた。
日本語は母音で終わるので、スペイン語も同様。そのまま発音すればちゃんと通じるんだなあと実感した。
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翌朝、無理を押してサイババにダルシャンにいくために列に並んだ。
会場には人がぎっしり。数万人いたのではなかろうか。

いまかいまかとサイババの出現を待つ。
やがて、音楽が鳴り響いて、オレンジ色のローブを着たサイババが歩いてくる。

微笑みながら歩いてくる。みんなは、サイババに手紙を渡そうとする。サイババはそれを受け取る。

ときどきビブーティという灰を手からでしてみせる。
主だった人に「あとでくるように」と言う。サイババに指名そされた人だけが特別に、サイババの部屋でインタビューを受けることができる。
私は、一瞥してもらっただけであった。
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サイババサティヤ・サイ・ババ 1926年〜2011年)のは、空中から物を作り出し、前世のことを伝え、病気を治療し、死んだ人を生き返らせるなど、超自然的な力を持っているとされた。

1940年に自らを実在の聖人サイ・ババの生まれ変わり、神の化身であると言う。

ババは「私は神の化身です」と言う。そして、その後に「そしてあなたちもそうです」と。

信者数は全世界に1000万人以上。インドの元首バジパイやら、裁判官や俳優、将軍、政治家など、力のある人たちに信徒が多かった。(続く)