過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「王政復古の大号令」では、神武天皇による国家の創業に明治維新の理念を求めるべきとした

万世一系天皇制」は世界に誇るものだという人が多いけれど、まずは基本的には、『古事記』(七一二年)と『日本書紀』(七二〇年)をおさえる必要がある。

日本神話はどういうストーリーになっているのか。昨日、インド人に問われて、正確に答えられなかったので、おさらい。

多くの人はそういう基本知識は、まったくない。
ということで、かんたんに紹介。
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天地のはじめに、アメノミナカヌシノカミが出現し、つづいてタカミムスビカミムスビの二神が現われる。
これを造化三神という。

神代が七代つづいて、イザナギイザナミの男女二神が現われ、結婚して、淡路島をはじめ日本国土の八つの島々と多くの神々を生む。

イザナミは火の神を生んで死に、悲しんだイザナギは、死者の行くヨミノクニを訪れるが、追われて命からがら帰還する。

イザナギは、筑紫の日向で禊祓(みそぎはらい)をする。死穢をとりはらうためである。そのとき、日の神アマテラスオオミカミ、月の神ツキヨミノミコトと弟神のスサノオノミコトを生む。

アマテラスオオミカミは、神々の世界である高天原を主宰する。スサノオノミコトは、父神の命令にそむいて海原の国を治めず、乱暴をはたらいたため、アマテラスオオミカミは怒って天の岩戸に隠れ、天地は暗やみとなるが、神々が力をあわせて岩戸を開き、アマテラスオオミカミがふたたび出現する。

スサノオノミコトは、高天原を追放されて出雲に降り、ヤマタノオロチを退治して、その尾から草薙の剣(別名は天叢雲の剣)を得て、アマテラスオオミカミにささげる。

スサノオノミコトの子孫オオクニヌシノミコト(オオナムチノミコト)は、ナカツクニを平定して支配者となるが、高天原から使者が来て国土の献上を命じたので、国をゆずって引退する(海中に没する)。

アマテラスオオミカミは、孫のニニギノミコトをナカツクニに降らせ、国を治めるように命ずる。二ニギノミコトは、日向の高千穂の峰に降り、その子孫が三代にわたって日向に住む。
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以下、神武天皇に至るまでのストーリーはまた別の機会に。
神武は歴史上の実在した人物ではなく、神々の時代と天皇をつなぐ神話、伝説上の存在である。

そして、明治維新。「王政復古の大号令」では、神武天皇による国家の創業に明治維新の理念を求めるべきとした。神武天皇の国家建設が祭政一致の原則にもとづくものとされたのである。