過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

友人の「臨死体験」の本を編集している

友人の「臨死体験」の本を編集している。
13分間の心肺停止をして、蘇った。死の世界からこの世に呼び戻された体験である。
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そこの臨死で得たのは、限りなきはからいのない、無限に浸透していく世界であり、寂静として至福体験であったようだ。

しかし、この世に戻されてからは、高次脳機能障害、歩行も困難、車椅子生活となる。
その中で、出会ったさまざまな体験。
限りなき安心と寂静の世界と、この世の衝突し思うがままにならない世界。そのあたりを描いている。

死について量子脳の研究、哲学や宗り著作は世に多いが、臨死体験者が自ら語るという本は、稀だと思う。そこが強みだ。
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ぼくは企画し編集するという立ち位置。
「こんな本書いてみたら」と友人すすめて、そして、出版社に渡りをつけるのだ。
A社もB者も、つながりがないので、相手にもされなかった。編集長に電話して「送ります」と言ったのに、「え?そんな原稿、いただきましたっけ。どこかに行ってしまいました」と。
C社もD社も、ご縁が深いので、読んでくれて感想も頂いた。しかし、出版は難しいと言われた。

て、E社(京都に本社がある大手出版社)の編集者から、「わたしのほうに原稿が回ってきて、死については、ご縁を感じて企画を通してみたい」ということなり、即、著者に会いに行ってくれた。

「社内会議が通るかどうかわからないけれど、なんども提出してみます」と言ってくれた。で、それがすんなり通って、本決定となった。
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いまの時代、どういう本が売れるのかわからない。ほんとうにわからない。とくに無名の著者の本など、店頭にも並べられないで返本されてしまう。

そんな状態だから慎重だ。しかし、編集者の主張の説得力、なによりいちりん堂(池谷編集の会社)の実績を買ってくれることになった。これまで、E社では、うちが編集した本は30万部くらいになるので、いちおうヒットメーカーと認識してくれた。ので、やはり実績の重み、は説得力があったという。
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というわけで、編集をすすめている。友人の執筆ペースははやいので、ぼくは方向性のアドバイス、レイアウトして小見出しをつけたりの作業で伴走することになる。彼は、ぼくよりはるかに文章力があるので、あんまり余計な介入はしない。

タイトル、カバーデザインの要素も大きい。
「13分間 死んで戻ってきました。──生きてるだけで丸もうけ」が仮のタイトルだ。

いまのスピードで行けば、4月に脱稿。7月くらいには発刊となるかもしれない。昔とった杵柄、12年ぶりの復帰の編集の仕事だ。ま、あと10年はがんばってみようというところ。

「それよりも池谷さん、日本の精神世界の歴史を書いてくださいよ」とある出版社の編集者から言われた。そうなんだ、人の本よりも自分の本を書かなくっちゃ。