過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「無常」 それこそがブッダの教えのキーポイント

仏教とは仏(ブッダ=ゴータマ・シッダールタ)の教えだ。

しかし、八万法蔵というほどの経典がある。それぞれ内容の食い違いもあり、しかも哲学的、空想的、難渋なものも多い。

このあたり、キリスト教の「共感福音書」やイスラムの『コーラン』と比較すると、いかに煩瑣で難解であるのかがわかると思う。
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で、要するに、仏教の教えとはなにか。ということになる。
たとえば、苦・無常・無我であるという。

あるいは、四諦・八正道・十二因縁であるという。
あるいは、七仏通戒偈(諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教)とか。
あるいは、大乗に至っては、常楽我浄という。

宗派によっては、南無妙法蓮華経と唱えれば成仏する。南無阿弥陀仏と称えれば阿弥陀浄土に生まれる。あるいは、発心するその瞬間に救われている。もう、さまざまにある。

いろいろな捉え方がある。そこが、仏教の面白いところ。
そして、これこそがブッダの教えであると言い切れるものでもない。
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ブッダの言わんとしたことは、
「瞬間瞬間、すべてのものは変化する。そして、自分自身も」。
ということじゃなかろうか。そう思っている。

同じ瞬間はもう二度と訪れない。つねに変化していく。
このいまの体験は二度と訪れない。最後の体験であり。そして、つねに新しい体験。
始まったら、それは終わりになる。終わったら、それは新しいものが生まれる。

すなわち、「無常」。
それこそがブッダの教えのキーポイントである。

それは、けっして暗い厭世的な教えとは思わない。
無常だからこそ、新しい創造が瞬間瞬間に起きていく。
瞬間瞬間の可能性はつねにひろがっている。
そのようにとらえてみる。