過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

姿の見えない相手とは怖いものだ

(続き)姿の見えない相手とは怖いものだ。どんな人で、どんな応対をして、どんな暮らしぶりか。それがわかれば、対処の仕様がある。まずは、会いに行くだけ。
その方は、自己破産した方だ。鍵を渡してもらい、いろいろ話を聞くこと。
ということで、かつて全焼した「戒光院」の境内で、お不動さんの眷属(けんぞく)、三十六童子の御名をとなえて行経(きんひん)して待つ。やがて、それらしきクルマが通る。
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あ、帰ってきたようだ。
車から降りてきたところを話しかける。まあ、フツーの感じで立ち話。
落札の経緯、自己紹介、落札した土地の残置物の処分のこと。コンテナと貨車の鍵をお借りしたい。処分できるものは処分したいこと。ゴミなどは、少しずつてゆっくりと処理して行くことなどを話した。
「案ずるより産むがやすし」。わりと話しやすい方であった。反応もなく相槌も打たないとか、「一体何しに来たんだ」みたいな感じだと困るが、 話せばちゃんと答えも返ってくる。安心。1回目の会談はそんな感じ。
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そして今日は2回目。たまたまTさんが来てくれたので、一緒に行ってもらう。Tさんは、その方の亡くなったお兄さんとやり取りをしたことがある。
近くにヤマメが釣れる穴場があり、その場所を教えてもらったこと。ハンググライダーをしているので、ハンググライダーが危なくないように杉の木を切ってもらいたいという話を持ってきたことがある。そんな四方山話をしたのだった。
それから、突っ込んだ話も。「事務所の土地もそうですが、あなたの家屋敷も落札されました。家も土地もとられてしまったわけですが、行き先はあるんですか。どうしようと思っていますか」。
「隣地の地主は、事務所は撤去してもらいたい」と言っていました。でも事務所を撤去するには200万円ぐらい金がかかるし、そんなことは難しい。地主には、そう伝えておきました」。そんなことを話したのだった。
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「まあとにかく、リセットかけたわけだから、新しくスタートできると思います。 道はたくさんあります。可能性はいっぱいあると思います。お互いに健康が第一ですよね。またこんな雑談をしにまいります」。
このように話をして、帰宅したのだった。まあ、こうしてひとつずつ少しずつ、よもやま話をして、コミュニケーションを深めていく。現実は変化していく。常に瞬間瞬間、ものごとは変化していく。(続く)