過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

本部と現場を分けること

田んぼをどうしようかという悩みはつづく。縮小するか。撤退するか。収穫は考えずに、農業イベントとして主に展開するか。

しかし、このままでは、ぼくの動きが取れなくなる。ぼくの性質、体力、これまでをよく知っている親友たちは、「撤退の一択のみ」と言う。

う〜ん。撤退はかんたん。休むことも可能。しかし、二度と、田んぼはできなくなりそう。しかし、このままではつづかない。あちこちに進軍して撤退できずに、玉砕した日本軍みたいになってしまう。そして、無条件降伏と。それは、こわい。避けたい。

一昨日、友人のNさんとの電話のやりとりで、アドバイスをもらう。「池谷さんの力は、情報発信力にある。東京などに田舎暮らしの魅力を伝えることに徹したほうがいい。でも、そのためには現場にいることが必要。しかし、現場に足をすくわれたら続かない」

なるほど、そのとおり。では、どうしたらいいか。

「本部と現場を分けること」と。「池谷さんは本部。現場は若手にまかせる」。

やはりそれだなぁ。若手にまかせたほうが、もっといきいきと動く。これまでのように、ぼくが旗振り、段取り、現場運営のすべてをおこなうというのでは、気苦労と体力のストレスがかかりすぎる。

うん、やっぱり。現場は若手に任せよう。それで中核メンバーと打ち合わせ。

現場の責任者は、Oさん(30代)がやってくれることになった。今後、田んぼはかれの創意工夫でやってもらう。そうすると、もとより気力・体力・工夫力のある彼だから、うまくいくと思う。

ただ、心配なのは、予算とか渉外、人の段取り、農業機械の設備など。そこは、ぼくが予算取り、企画、まちなかに情報発信して、人をつなげるみたいなことができる。

もちろん、ぼくは田植え、稲刈り、草刈り、水の管理など、現場に関わる。だが、こうして分けることで、ずいぶんと気が楽になるのはたしかだ。ということで、ひとつ進んだ気がする。