過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

やはりショッピングモールだ

東京にいると若い人が多い。夜中の12時だってやたらと人が歩いている。店も開いている。それがあたりまえの風景。

山里に暮らすと、日中でもほとんど人は見かけない。若い人などいるはずがない。ほとんど70以降のお年寄り。

じゃあ、80万都市の浜松駅の周りにはたくさん人がいるか。というと、たいして人はいない。東京の3万都市以下の人の賑わいかな。それでも北口方面は、すこしは賑わいがある。

そうして、南口の方はどうだ。駅から徒歩2分くらいの商店街は、ほとんど昭和になっている。店があるといっても、飲み屋、蕎麦屋、帽子屋、サンダルと下駄屋、焼肉くらい。人はほとんど見かけない。駅から徒歩2分のところだよ。

ええ?じゃあみんなどこに買い物に行くんだ? 

やはりショッピングモールだ。たとえば、イオン市野店。うちからクルマで片道1時間10分かかる。ぼくは、ここにある歯医者に通っている。

ついでにモールを歩く。するとどうだ。平日なのに、幼児を連れた若いママさん。若い女性も多い。お年寄りはほとんど見かけない。品数は多い。ショッピングが楽しめる。子どもの遊び場もある、レストランもたくさん。電気自動車の説明していた、手相占いもある、床屋もあった。

帰りに、これまた大きなホームセンター、ついでに100均によれば、だいたい揃ってしまう。サイゼリヤみたいなところで食事、と。温泉まである。

駅の周辺に人がいかないのは、ひとつは駐車場がないからだ。地方都市のみんなの移動は、クルマだ。わざわざ千円かけて駐車して買い物するほどの魅力も品数もない。子連れではあるきにくい。ショッピングモールならば駐車場はすごく広い。満車ということはない。しもタダ。子どもが遊べる場がいくつかある。品数が多い。なにしろ歩いていて楽しい。刺激になる。

地方都市は、だいたいこんなことになっているだろうか。駅の近くの店はますます衰退。さらに小さな駅は、もっと衰退。巨大なショッピングセンターばかりが繁栄していく。伝統のある個性のある店はなくなっていく。店のオヤジというのがいない。店員ばかりで、世間話というものはまったくない。結局、便利なんだけど、ひとつひとの店の個性がなくなってつまらない、ということになる。