過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

火葬場の絶対数が不足している

友人が亡くなったのだが、葬儀は一週間後と聞いた。ええ? 普通は、翌日か翌々日に通夜、そして告別式となる。そんなに長くかかるのは、なにか深い意味があるんだろうか。

古代には、殯(もがり)という儀式があって、すぐに土葬にしなかった。ある期間、棺に遺体を仮安置し、別れを惜しみ、死者の霊魂をなぐさめた。宗教を探求していた方だったので、それかなあとも思った。が、どうも事情が違うようだ。

じつは、都心部では火葬場の絶対数が不足しているのだ。火葬するのに順番待ちはあたりまえ。それで1週間後というのは、よくあることらしい。

病院で亡くなったとしても、病院では冷暗所にそれまで安置してくれることはない。すると、家で安置されることになるのだろうか。この暑いのに一週間ってのは、たいへんだ。ドライアイスで冷やしていくことなる。遺族にしてみたら、なかなかつらいことになる。

昨年の死者は約130万人。団塊の世代が75歳以上になる2025年には、約152万人が予測される。都心は、ますます死者の事情が過密になっていく。

地方のお寺は、これからますますやっていけない。けれども、都心で活動するお坊さんは繁盛する。亡くなった友人は、僧侶であり、また僧侶の派遣業を起ち上げて、かなり成功していた。