過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

日本の仏教において、いちばんヘンだなあと思うのが、戒名だ

ほんらい戒名とは、「仏弟子となって戒律をたもって仏道を歩みます」という人につけられるのもの。日本の仏教において、いちばんヘンだなあと思うのが、戒名だ。大きくは次の三つが素朴な疑問。

一、死んだあとにつけられるのはオカしい(生前にもらう人もあるが)。死んだあとに仏弟子の名前をもらって、どんな意味があるのだろう。

死んだひとは、もらった戒名など知らない。仏道をあゆもうという気のないひとが、死んだからといって突然、発心して仏道を歩むわけがない。戒名をもらってうれしいわけもない。

二、実践していないしその気もないひとが、他人に実践せよという項目を与えるのはおかしい。

戒名をあたえるひとが戒律をたもっているわけじゃない。たくさんある戒律のなかでも、大きくは五つ。「生きものを殺すな」「盗むな」「異性と交わるな」「嘘をつくな」「酒を飲むな」である。妻帯して、日常的に酒を飲み肉を食べている僧侶が、そうした戒律を授けるのは、やはり矛盾していると思う。

三、戒名にランクがあって、金額(お布施)の多寡できまるのはおかしい。仏教はほんらい平等の教えである。けれども、戒名にはランクがある。それが、金額によってきまるのはオカしい。もちろん、寺院の維持のためという意味はわかるけれども。