過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

あかりはもうすぐ4か月

あかりはもうすぐ4か月になる。自分がいるということ、自分とはちがう外の世界があるということはわかっているだろうか▲外の世界は、動いたり光ったり音を出したり、触ったりしてくる。いつもつつんでくれているもの(ひと)がある。やさしくて、あたたかくてやわらかくて、たいせつにしてくれている。泣いたらすぐに抱いてくれる。お腹が空いたら満たしてくれる▲そのほかにも、いろいろなもの(ひと)がいる。そんなところは、すこしずつわかっているのかもしれない。

目は少しずつ見えてきている。外の世界は見えてきている。目と目があえばにこーっと微笑んでくれる。人の顔、目というものはちゃんとわかるみたい▲ちゃんと目を見て相手すると、よろこぶ。抱いていて目を見ないでパソコンに向かったりしていると、よろこんだりはしない▲ちゃんと目と目があうこと。話しかけること。歌ってあげること。それがとてもうれしいようだ。

機嫌のいいときは、ひとりでなにかおしゃべりをしている。まったくことばにはならない発声だが。あううう、うわうわ、だあいいいうーーー、にょごにょごごぅぅ▲こんなふうに喉を震わせたらこんな響きになる。こんなふうに舌をつかうとこんな音になる。そんなことを試しているんだと思う。

指もよく動かしている。にぎったりひらいたり。その指を口に入れた舐めたり、ながめたり▲ぼくが指を出すとぎゅっと握りしめる。そして、はなす。これを繰りかえす。足は力がある。かかとを押してあげると、ぐぐっと力を入れてくる。力を入れると体がその反動で動く。その力感を楽しんでいる。手応えをあそんでいる▲こうして、ものすごいスピードであたらしい世界に出会い、ひろげて、つなげていっているんだろう。