過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

阿弥陀さんとは、じつに57年ぶりの再会

この阿弥陀さんとは、じつに57年ぶりの再会であった。ここは、ぼくが通った幼稚園のお寺の本堂▲阿弥陀さんのことは、ちゃんと覚えている。花まつりのとき、みんなで仏さんの貼絵をした記憶がある▲きょう、講座のためにまちなかに出たついでに、お寺に寄ったのだった。

訪問の目的は、いま企画している「神社・寺社カフェ」の提案だ。これは、一般の人が自由にお寺を訪ねると、ちゃんと住職がお相手するという企画だ。市内の百のお寺に参加してもらおうというもの▲いきなりのアポなしの訪問だったけど、住職は気さくに相手をしてくれた。じつはかれとは、幼稚園、小学校、中学、高校ともに一級下で、お互いにすこし面影は記憶にある。44年ぶりだけど。

ここは浄土宗のお寺で、かつては「別時念仏」(べつじねんぶつ)といって、夜通し念仏をとなえる行をしていたところだ。誤解を恐れずにいうと、いわば念仏メディテーションだ▲ということで、この企画では、たんにお話だけではなくて、木魚を叩いて、じっくりと念仏をとなえてもらう。身体感覚でつかんでもらう。そういう体験のできる集いがよいのでは、と提案した。

檀家と幼稚園の経営でとても忙しくて、気持ちに余裕がない。とはいうものの、このまま檀家相手だけのお寺ではいけないという思いはある。一般の人に念仏をつたえることは、たいせつなことで、この機会にやってみたい、と住職▲まあ、いつやるという日にちはきめないで、参加していただく方向で、考えておいてくださいね。また参ります、ということでお別れした▲阿弥陀さんも住職も、ほんとうにおひさしぶりで、とてもいい出会いだった。