過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

年をとるほどにたいへんになってくる山里暮らし

若くて健康なうちは田舎暮らしはすばらしい。が、年をとるほどにたいへんになってくる。年をとると車の運転ができなくなる。それでまず困るのが、医療のことだ▲知人のUさんは、かなりの山奥に暮らしている。月に二度、ご夫婦で診療所に通う。かつては、春野町だけの特例で「ふれあいタクシー」といって、町内であれば、どんな山里からでも片道510円で使用できた▲ところが浜松市と合併して10年、その特例がなくなってしまう。

タクシーで通うとなると、片道1万2千円。夫婦でそれぞれ利用するとなると、月に9万6千円になる。10万円にも満たない年金のほとんどが、診療所への交通費に消えてしまう▲それでは、交通弱者は暮らしていけない。そこで、森下さんたちがご尽力されて、春野町ではNPO法人ができ、タクシー代の半額で利用できる仕組みを作った。しかしそれでも、Uさんの家では、月に4万8千円の費用はかかる。

山奥はいろいろと深刻だ。豪雨が降れば土砂崩れを起こして、道路はしばらく不通になったりする。橋が崩落したりもする。こういう問題が、あちこちで起きてくる▲高齢化がすすみ、過疎が進み、老朽したインフラが崩壊していく。山里はこれからもっといろいろな問題が起きてくる。