過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

「画壇の仙人」と呼ばれた熊谷守一

友人のブログを見ておどろいた。こんな方がいたんだ。わたしが尊敬しているインドの聖者、ラマナ・マハリシのような優しい眼。。その顔じたいが最高の作品だと思う

貧乏のどん底生活。次男の陽が肺炎に罹ったときも医者にみせることができず死なせてしまう。その亡骸を描いたとき、「これでは人間ではない、鬼だ」と気づき愕然としたという。

60歳近くになってから始めたのが、書や墨絵。線と余白だけで喜びも悲しみも表現できる、と。▲自宅から一歩も出ず、わずか15坪の小さな庭が彼の世界。その小さな世界に息づく草花や虫や動物たち、その命の輝きを描いた。

「下手といえばね、上手は先が見えてしまいますわ。行き先もちゃんとわかってますわね。下手はどうなるかわからないスケールが大きいですわね。上手な人よりはスケールが大きい」と。▲次の言葉も印象的。「私はだから、誰が相手にしてくれなくとも、石ころ一つとでも十分暮らせます。石ころをじっとながめているだけで、何日も何月も暮らせます。監獄にはいって、いちばん楽々と生きていける人間は、広い世の中で、この私かもしれません。」