過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

生ゴミのなかのすごい虫たち

生ゴミから堆肥を作る話を書いたが、厄介なことがある。それは、ウジが発生すること。それも巨大なヤツだ。

アメリカミズアブというアブの幼虫だ。このアブは黒くて、「便所アブ」とか「喪服の麗人」とか呼ばれる。カラスが嫌われるのと似ているかも。色は黒くて光っている。ゴミにわっと寄ってくる。暴力的で可愛くない。

生ゴミの匂いがすると、ぶんぶんとやってくる。油かすを発酵させたときなど、100匹くらい集まって困ったことがある。蓋をちゃんと閉めてあっても、小さな隙間から卵を産みつけてしまうのだ。

幼虫の大きさは2センチくらい。薄茶色で、お腹が波打っている。その数たるや、まあ、ざっと千〜二千匹はいそうだ。

怖いもの見たさ・聞きたさで、容器に耳を近づけてみる。じゅむじゅむ、ずちゃずちゃ……と、エイリアンみたいなシュールな音がする。生ゴミの御馳走を食べ尽くしている音だ。

ま、しかし気味が悪いだけで、とくに害はないようだ。殺虫剤で殺すのはしのびがたいのでほっておく。生ゴミを食べて排泄するものが野菜の栄養分になるんだと思っている。

やがてサナギになり、孵化を待つのだが、ゴミが発熱していく過程で、堆肥になってしまう。

こうして、堆肥の中には、いろいろな虫が生息している。そして、目には見えないものすごい数の微生物が動き回っているのだ。