過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

がんになったら放置して、枯れるように死んでいきたい

「がんとどう付き合うか」。切実な課題だ。

死亡率のトップはがん。日本人の2人に1人は、がんにかかかり、3人に1人はがんで死ぬともいわれている。

われわれの世代は、食い物も(学校給食は、コッペパン脱脂粉乳、マーガリン、チクロみたいな人工着色料に甘味料、保存料が野放し)。なにより、長寿化して、免疫力がか落ちるから、ガンにかかるのは当然かもしれない。

そこでいまの考えをまとめてみた。
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①ちゃんとした健康診断すべきか。──余計な精密検査をするから、がんが発見される。しかも最新の機械ほど精度は高くなる。

②「早期発見」て、それほど意味があるのか。ヘタに医療にかかると、手術、放射線抗がん剤の投与などの処置をされる。それが「正しい」「いいことだ」と思われている。本人も、家族もそうのぞむ。

③それで治ればいいけれど、また再発とか起きるだろう。がんとの闘争が続いて、結局、心身が衰弱、寝たきり。お金もかかる。
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④それよりもがんを放置してそのまま暮らしていても似たような余命じゃなかろうか。そして、QOL(生活の質)は維持されるかも。

⑤いまの医療はラクに死なせてくれない。「1分1秒でも永らえる」ことが使命と考えている。そこでも点滴、栄養剤の投与、胃ろうやら、さまざまな試み。

⑥そもそも検診などしなければいい。自覚症状が出て、はじめて検査。「もう末期だった。もはや手遅れ」。それでいい。それがいい。

⑦がんが見つかったら、余計な延命治療などしない。食べ物も水も絶ち、枯れていくように生が尽きる。肉体が欲していないのに、栄養や水をを与えることが、かえって苦しみを生む。
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⑧近藤 誠医師の話。「症状がなく検診で見つかった肺がんは、十中八九がんもどき。詳しく検診するほど、最新鋭機を使うほど、がんはいくらでも見つかる。でもその大部分が、命を奪わない潜在がんか「がんもどき」。放っておいても大きくならないか、消えてしまう。そんながんをわざわざ見つけて、手術や抗がん剤治療を受けて玉砕してしまう」。

⑨中村仁一医師の話。「老人ホームで、がんを放置した人がどんな死に方をするのかを70例以上診た。末期がんの患者で、痛みが出て麻薬を使ったような例は、ひとりもいない。病院で「余命はせいぜい2~3カ月」と言われたのに、がんを放っておいたら1年近くも生きて、亡くなる直前まで普通の生活ができた、というような例はいくつもある。
(中略)
家族としてはつらくても、本人が死ぬべきときにきちんと死なせてあげるのが、本当の愛情でしょう。本人と話ができるならともかく、虫の息の状態を引き延ばすなんて、視点を変えれば「鬼のような家族」でもある。
本人がどう思うか?そんなことはどうでもいい。生き残るわれわれが満足して、後悔しなきゃいいんだという家族が多いのでは」。
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以上、立て続けに3冊読んで感じたこと。

石飛幸三書「平穏死のすすめ」(講談社
中村仁一著「大往生したけりゃ医療とかかわるな」(幻冬舎新書)……これ50万部も売れたんだね。
中村仁一、近藤誠著「どうせ死ぬならがんがいい」(宝島新書)