過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

雑木の道を歩く

雑木の道を歩く。といっても事務所から徒歩3分だ。広葉樹は、みんな葉を落としてしまった。桜の樹もイチョウも葉っぱほとんどない。まだ残っているは、モミジくらいか。モミジは陽に照らされて、赤く輝いている。そして常緑広葉樹。どんぐりの実があちこちに落ちている。

枯葉の音がサクサクサク、ザッザッ。足音に驚いて山鳩が飛び立った。葉っぱは、春から秋まで太陽の光を得て光合成で樹に養分をおくる。その役目を果たして、樹から離れて大地に還る。そして養分となって、また樹の育成の役に立つ。延々と繰り返されている営みだ。死がまた新たな生を育むわけだ。

ぎいーーすと秋の虫たちの鳴き声が、かすかに聞こえてくる。こんなに寒くてもまだがんばって生きているんだ。

たんぽぽの綿毛のような白い虫が、ふんわり舞っている。雪虫だ。しろばんばとも言う。川のせせらぎの音がする。遠く山裾からカラスの鳴き声が、かあかあと聞こえる。

近所のおじさんが、あかりのために、黒いメダカを60匹とってきてくれた。1センチくらいの小さなエビも、十数匹。市販されているメダカは、ほとんどが緋メダカなので、黒いメダカはとても貴重だ。ちゃんと育てて春には産卵させて増やしていこう。