過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

西浦田楽(にしうれでんがく)の入門書づくり

西浦田楽(にしうれでんがく)の入門書をつくりたいと考えていた。ポーラ伝統文化振興財団の助成事業に提案したところ、さいわい採択された。ただ残念なことに、当初の予算額の4分の1に削られた。それでは単行本の費用が出ないよ。で、かろうじてブックレットのかたちに。

「西浦田楽」は、能楽の起源とされている。浜松市天竜区水窪町の西浦の集落に伝えられている神事である。1300年にわたって父子相伝でつたえられてきた。国の重要無形民俗文化財の第一号。

田楽の舞は旧暦1月18日の月の出から翌朝まで、夜を徹して行われる。神々を迎え鎮めて終わる。暗闇に炎が燃える中に浮かぶ幻想的な仮面の舞は、異次元な世界へといざなう。森羅万象に神が宿るとする山岳信仰と仏教が融合した世界でもある。

これは舞台芸能ではない。神に奉納することが主眼の神事である。相手にするのは、神である。わたしたち観衆は、その神事に参加させてもらうのである。

ということで、ポーラ伝統文化振興財団のスタッフの方が来訪して打ち合わせをおこなった 。ワークショップもやってもらえないか、という。本が完成したときに、記念講演とワークショップができたら、おもしろい。ポーラ財団が経費をもってもらえれば、だけど。