過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

心ゆくまで祈ることのできる場として、ほんらいお寺が

まちなかに出かけたかえりに、お寺に寄る。「神社・寺カフェ」を企画したおかげで、ちょっと寄らせてもらえるお寺ができたことは嬉しい。正晨寺さんを訪ねた。いつも暖かく迎えてくれるので、行きやすい。『法華経』のこと、和歌のことなどを住職と語りあう。そこへNさんが参拝に来られた。

Nさんは、妻が脳こうそくで倒れて入院。辛くて辛くて、泣きたい思いだという。そんなとき、「神社・寺カフェ」で訪ねたことがきっかけで、毎日、正晨寺さんに通うようになった。本堂で深々とお題目をとなえ、心ゆくまで祈る。Nさんは、いまの自分には、このお寺がとっても向いていると言っておられた。住職、副住職が話を聞いてくれる。説法するというわけじゃなくて、寄り添ってくれる。それで心も安らぐのだと思う。

どうしようもなくつらいとき、心ゆくまで祈ることのできる場として、お寺があるんだなあと思った。それが、ほんらいのお寺の姿だと思う。が、なかなかそうしたお寺は少ない。そうした突破口をひらくきっかけになったらいいなというのが、今回の「神社・寺カフェ」のねらいであった。