過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

良寛さんの詩を味わう

風がとても激しい夜。雨音もする。新年を迎えて、良寛さんの詩を味わう。
「あしびきの 国上の山の 冬ごもり
日に日に雪の 降るなべに 往き来の道の あとも絶え
ふるさと人の 音もなし うき世をここに 門鎖して
飛騨 の工が うつ縄の ただ一筋の 岩清水
そを命にて あらたまの 今年の今日も 暮らしつるかも」

越後の国上山のふもとで冬籠もりしている
毎日のように雪が降るごとに 行き来する道の人の足跡も絶えた
ふるさとの人からの便りもなくなった
世俗を離れて庵の門を閉め
飛騨の国の大工が引く細く真っすぐな墨縄のような、岩を流れ落ちるたった一筋の清水
それをいのちの支えとして、あらたまの冬の一日を過ごしている