過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

この一瞬一瞬は、二度とやってこないんだなあと、木の葉っぱと青い空と雲を眺めていた。

暑くてたまらず、ちかくの杉川に行く。
川にざぶともぐった。すこし浸っただけで、まことに涼しくなった。
この夏は、こうやって身体を冷やしているので一度もエアコンは使わず。
川の流れがざあーーーっざあーーーっ。蝉の鳴き声。
身体が冷えたところで、結跏趺坐の瞑想。
小さな魚がたくさん。シマヘビが川を泳いで、岩の上にするすると登っていた。
アゲハチョウがいた。
自分にとってはまことに心地よい聖地みたいなもの。

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午後には、伊藤忠記念財団の女性が来訪。助成金の申請(子ども文庫助成プログラム)をした団体をすべて訪問するのだという。90団体、北は利尻から南は対馬まで。いい仕事たなあ、うらやまし。
学生時代は歌舞伎の研究をずっとしていたようで、しばし歌舞伎の話。
中村勘三郎も、市川團十郎も、中村吉右衛門も死んでしまったねえみたいな話をしたのだった。
三人吉三巴白浪』が好きで何度も見に行ったという。
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河竹黙阿弥の名文句。
月も朧(おぼろ)に 白魚の
篝(かがり)も霞(かす)む 春の空
冷てえ風も ほろ酔いに
心持ちよく うかうかと
浮かれ烏(からす)の ただ一羽
ねぐらへ帰る 川端で
竿(さお)の雫(しずく)か 濡れ手で粟(あわ)
思いがけなく 手に入る(いる)百両
(舞台上手より呼び声)御厄払いましょう、厄落とし!
ほんに今夜は 節分か
西の海より 川の中
落ちた夜鷹は 厄落とし
豆だくさんに 一文の
銭と違って 金包み
こいつぁ春から 縁起がいいわえ