過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

神社・寺社カフェの企画をすすめる第一歩

知らない「お寺」さんに、いきなり電話した。誰からの紹介もなくお寺に電話するってのは、なかなか緊張する。誰だあんた? 何の用だ? いそがしい!と、邪険に扱われる。……そんな恐れは十分にある▲いったい、なんの仕事かというと、じつは「神社・寺社カフェ」という企画をすすめている。

これは、市民がアポなく寺社を自由に訪ねられる、オープンハウスならぬ「オープンテンプル」「オープンシュライン」の企画。浜松市の「みんなの創造プロジェクト」に採択された事業で、チラシや冊子の印刷費は助成してもらえる。

お寺というと、ふつう墓参りや法事のとき以外に、訪ねるなんてことはない。かなり敷居が高い▲けれども訪ねてみたら、なかなかおもしろいお坊さんがいたりする。お寺さんも、一般の人が来てもらうのを歓迎するところもある▲で、お寺と市民をつなげてみよう。お寺って、貴重な文化資源、伝統の担い手、心を見つめる空間でもあるからね。お寺が市民がつながっていけば、きっと、おもしろいことになる。そんなねらいだ。

具体的には、日をきめた一日か二日、だれでもアポなく自由に訪ねことができる。お坊さんや神主は、ようこそ、ともてなしてくれる。訪問者もお寺も、参加費はいっさいかからない▲法話あり、坐禅会あり、本尊の拝観あり、庭の鑑賞あり、暮らしの話あり。そこは、それぞれのお寺や神社まかせ▲そんな寺社100件に参加してもらう。観光寺院や有名どころには、あえて声をかけない。いつも観光客が来るところは、こういう企画はよろこばないだろうから。

そんなわけで、参加してもらえそうなお寺さんのリクルート。きょうから開始した▲なにごともはじめの第一歩が、たいへん。緊張する。重たい。でもわかっている。ひとたび動き出せば、勢いがつく。人間関係も円滑になる。紹介が増える、楽しくなる。はずみがつく▲ぼくは浜松に越して5年、山里暮らしなので、お寺の知り合いはほとんどない。ネットや、ちょっとした新聞記事を頼りに、あたりをつけていく。地域の寄りあい場になっているお寺、コンサートやイベントをやっているお寺、心の相談とか、法話とか熱心なお寺▲そういうところをさがしては電話していった。

さいわい、6件中4件のお寺さんが賛同してくれた。電話の後には、企画書を送る。お寺さんに、具体的に企画内容をつかんでもらう。そして、実際に訪問して人間関係をつくる。さて、どんな企画にしていくのか、一緒に考えていく。お寺の概略を聞いてコピーをつくる。

お寺さんというのは、ひとつ信頼されると、次々と紹介してもらえる。こうして、目標の100のお寺と神社の参加をいただく▲それだけの寺社のネットワークができたら、さらにまたおもしろい企画が生まれていく。そこがまた楽しみなところだ。