過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

古関裕而と信時潔 戦時下の歌と戦後の歌

阪神タイガースセリーグで優勝して、いま日本シリーズらしい。テレビがないことと野球には興味もないので、よく知らないのだが。

阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」は、古関裕而の作品だ。

古関裕而をぼくは尊敬している。

これは、古関裕而の批判のためではなくて、事実の検証ということで書いている。

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古関は戦争中に、国威発揚の歌をたくさん作っている。早稲田の応援歌「****紺碧の空」は古関のデビュー曲だ。****

代表作には「露営の歌」「暁に祈る」「若鷲の歌」。

「露営の歌」〽勝って来るぞと 勇ましく ちかって故郷を 出たからは 手柄たてずに 死なれよか 進軍ラッパ 聴くたびに まぶたに浮かぶ 旗の波〜

「暁に祈る」〽ああ あの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮かぶ  ああ 堂々の 輸送船 さらば祖国よ 栄えあれ

「暁に祈る」〽ああ あの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮かぶ ああ 堂々の 輸送船 さらば祖国よ 栄えあれ 

「若鷲の歌」〽若い血潮の予科練

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戦後は、平和を高揚する歌をたくさん作る。名曲ばかりだ。

阪神タイガースの歌
高原列車は行く
栄冠は君に輝く
オリンピック・マーチ
モスラの歌
イヨマンテの夜
長崎の鐘

デイサービスを経営している時代『高原列車は行く』『長崎の鐘』はよく歌ったものだ。

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ところでこないだ、『海ゆかば』を聴いて、深く引き込まれた。詞の内容(大伴家持の万葉歌)はちと問題だが、荘厳なメロディーは『君が代』以上だと思う。

作曲は信時潔。1887年生まれ。東京音楽学校で学び、ドイツ留学を経て母校で教鞭をとる。

1886年生まれの山田耕筰と同世代。信時は自身の『海ゆかば』が軍国主義に利用されたことに対抗できなかったことを恥じて、戦後はほとんど作曲の筆をとらなかったとも言われている。

信時の作曲に『一番星見つけた』があることを知った。曲の展開が、『海ゆかば』と通じるものがある。