過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

友人が「新規事業を起ち上げる」という

友人が「新規事業を起ち上げる」という。そのサポートで、実務者会議に定期的にかかわってる。こうした仲間に入れてもらえること、新しい仕事の可能性のあることは、ありがたいこと。

問題はやはり資金。ゼロからのスタート、手弁当だけでは、すぐに立ちゆかなくなる。そのあたりの、起ち上げ資金のメドはたつようだ。

ただ問題は、その資金が尽きるまでに、事業収益があがって継続が軌道に乗せられるかどうか。

友人とぼくは、そのあたりのカネ儲けの仕組み作りはヘタ。大した実績なし。でもさいわい、事業をちゃんと軌道に乗せた実績のある人がメンバーにいるので、空論や理想論には流れずに、実務的に進んでいる。

資金に余裕があれば、心強い。しかし、余裕があるのも弱点になる。やはり心底、本気にならなかったりする。これまで、いろいろな事業の立ち上げに関わってきた。みてきた。たとえば、こんな人たちがいた。

Aさん)はじめはうまくいった。本人の能力も高く魅力もある。仲間も増えてきた、楽しかった。みんな若かった。けれどもやがて、資金も尽きてくる。会議も空回り。人も集まらず、協力者も離れていって、もうだめ……、あきらめざるをえない。本人は泣いていた。

でも、ヘコたれなかった。そこから必死になった。腹を据えた。事業そのものを見直していった。顧客のターゲットを絞り込んだ。そして、見事、事業を軌道に乗せた。いまでは、客を断らざるを得ないほど繁盛している。

Bさん)人も雇ったが、どれも戦力にならず。人件費だけがとんどんと出ていった。いろいろ削ぎ落とされてゆく。そうして、高望みしていた企画は、やがて身の丈のあったものに安定していった。

Cさん)それまで他人の力をアテにしていたが、うまくいかない。他人はやはり「我がごと」としてかかわらない。協力するがリスクは負いたくない。いつでも身を引ける体勢にいた。かれは、自分ひとりだけでもやる。家族だけで力を合わせてやっていく。そういう覚悟で進んでいったら、軌道に乗りだした。

Dさん)軌道にのってしまうと、おもしろくなくなってしまう。また、あの事業立ち上げのハラハラ、ドキドキを体験したい。ということで、また新しい展開をしようと している。

いつでも、新しいプロジェクトの起ち上げは楽しい。夢がある。夢を共有する仲間が集まって建設的な意見が出る。その過程は楽しい。「同床異夢」といえば、そういうことになるが。しかし、うまくいかなくなれば、みんな去っていく。つまるところ事業というのは、必死の思いの一人に尽きる。そんな気もする。