過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

合掌してたった三編のお題目をとなえるだけで

まちにいった帰り、妻とあかりを連れて、正晨寺さんにちょっと寄らせてもらった。もう暗くなっていたのに、いつものように住職のご夫妻が暖かく迎えてくださる。

まずは本堂にむかって、仏前に挨拶。日蓮宗系のお寺(本門佛立宗)なので、南無妙法蓮華経と三唱。しばしそのまま余韻に浸っていた。

本堂が静寂に清潔に保たれ、落ち着いた祈りのエネルギーがある。合掌してたった三編のお題目をとなえるだけで、頭の疲れも、ややこしいことがアースされて、すっきりしていく感がある。

本尊に向かって多くの人が祈ってきている空間。南無妙法蓮華経という響きもある、そして場の力がある。

いつでも立ち寄れる。気兼ねなく祈念できる。静寂である。祈りの場としてのお寺、それがほんらいの姿。

正晨寺さんでは、毎月、短歌に俳句、都々逸などの講座と添削指導を無料で行っている。また、寺カフェにも参加してもらっている。

それがきかけとなり、脳こうそくで倒れた奥さまの祈願に一か月間、毎日、通われた人がいると聞いた。その方は、本堂で泣いていたという。

ひとりで泣くことのできる場がある。祈る場がある。とてもたいせつなこと。そういうお寺が、身近にあるといいな。