過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

炭焼き窯づくり6日目 やりなおし

炭焼窯の天井が崩れた。一気に、暗い雰囲気になる。疲れがどっと出てきた▲ここまでドーム型の屋根を作るのに、どれだけの人が関わり、どれほどの手間をかけたか……。もうここで中断しよう。あらためて、来月にやり直そう。いそぐことはない。春でもいいか。そんな気になった▲しかし、ここでやめてしまうと、ふたたび蘇らせるのは、かなり至難なこと。それも、わかっている。

朝の8時半。栗島清さん(82歳)が、もう現場に来られた。「こりゃあ、やりなおさんといかんなぁ……」。いつもの、やさしい、にこやかな笑みをたたえた顔。すでにツルハシを持って作業をはじめている▲やりなおせばいい。そうハラがきまれば、現実はそちらに動きだす。坂本君、藤田君も到着。4人で、天井を崩し、せっせ、せっせと窯のなかの丸太を運び出す。

杭を並べ、枝をさらに細かく切って入れる。コモをかぶせ、土をかぶせて叩く。土の厚さ(30センチ)を確認するために、底から竹を立てて目印を付けておく。こうすれば均一に土が被せられる▲叩き方にも、コツがある。上から叩くと土が下にひろがって天井が薄くなる。外から叩いて上に固めていく。そんなことも実践の中でこそ、わかってくる。

夕方16時くらいまでみんなで働いて、堂々とした窯の形になる。存在感、重量感、以前のものよりはるかにどっしりしている▲とっても疲労したけど、達成感、充実感が心地よい。諦めずにやってよかった。