過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

流れのなかで、縁に生かされながら。興味にまかせて

ありがたいことに、毎日、いろいろなお客さんが来てくださる。こんな、はるか山奥の不便なところに、だ。車で2時間も3時間もかけて▲相談事があるんだけど、いい話を持ってきたよ、ついでに寄ってみた、顔を見にきたよ、元気にしているかぁ、これ、食べるかぁ。……とにかく、毎日、いろいろなお客さんが来られる▲実直な人、創作的な人、ネットワーカー、アーティスト、黙々とお手伝いしてくれる人。とにかく、出会いがあって、まことにありがたい日々。

東京暮らし40年から、山里に越してきた。ゆったりと瞑想しながらほそぼそと暮らそう。そんな思いでいた▲ところが、山里には、面白い人、すごい人、達人、名人がたくさんいた▲そんな人たちと出会い、「この人とあの人をつなげたらおもしろいな」「この人はあの人に紹介してみたいな」と。そんなことで、人と人をつなげていくという流れを、すこしずつすこしずつ動かしてみた。そうしたら、いつしか弾みがついてきたように思う。

この先、どうなるのかはわからない。自分自身もどういう方向にいくのか、わからない▲なにか目標があって、がんばって進むというのは、ぼくには難しい▲流れのなかで、縁に生かされながら。興味にまかせてというか。そんないい加減なことで、月日がたっているともいえる。

目標もない、がんばらない、歯をくいしばらない▲しかし、こうして縁のありがたさを感じ、縁と縁をつなげていくという流れ。そこに、なにかあたらしいムーブメントが生まれていくのかもしれない▲先がわからない、そこが実は可能性に満ちた世界なのかもしれない。そんなことも思う。