過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

かくして、田んぼは日本からなくなっていく

きょうは700キロのお米の籾摺(もみす)りの予定だった。でも、農機具屋さんの準備体制が外れて、うまくいかなかった。

来週に延期となった。こんどは、無理をお願いして義父のところでやってもらう。往復3時間以上かけて、軽トラで持ち込む。

来年のこともあるので、農協に籾摺りが可能かどうか、聞いてみた。

ぼくたちがつくっている品種(晩稲のサガビヨリ)では、ダメ。コシヒカリかキヌムスメ、あるいはニコマルだという。

そして、10月20日までと。それでは、晩稲はダメだ。

さらに経費だ。キロ19〜25円かかる。もしも収穫が700キロとすると、2万円近くかかる。

こうして農協などに手配していくと、いろいろ経費がかかる。3反の田んぼの成苗を買うとしたら、3〜4万円くらい。そうして、肥料に農薬。機械のメンテナンス。燃料代。機械の減価償却。資材費。いろいろ足していくと、ヘタすると50〜100万円くらいかかることになる。

それでいて、コメが高く売れるわけじゃない。もしも農協に卸すと、キロ200円にもならない。700キロで14万円の売上だ。魚沼産コシヒカリですら、キロ320円くらい。

経費は出ない。人件費は出ない。この程度の田んぼをやっていたら、まったくの大赤字ということだ。疲れる。時間はとられる。趣味人しか田んぼはできないことになる。かくして、田んぼは日本からなくなっていく。

趣味として、生き方として、自然との対話として田んぼをやるなら話は別。そうしたら、農薬を使うのは意味がない。ので、完全無農薬と無化学肥料でいくわけだ。

そうなると、手間ヒマ、機械の段取り、などいろいろたいへんだー、てんてこまい、ということになる。

いやあ、それが楽しい、うれしい、おもしろい。……そうなっていけばいいんだけどね。現実は難しい。いまのところ、大いなる学びにはなっているけど。学びばかりの人生をおくっている。