過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

浦川歌舞伎に行ってきた

浦川歌舞伎に行ってきた。佐久間町浦川で150年の歴史士のある農村歌舞伎だ▲演目は、『傾城阿波の鳴門』(けいせいあわのなると)、『白浪五人男』(しらなみごにんおとこ)、『与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし─お富さんと切られの与三郎の話)、『勧進帳』と盛りだくさん。

開演は夕方の5時半で、おわったのが10時半。なんと5時間もの芝居だ。帰宅したのは、深夜の12時を過ぎていた▲傾城阿波の鳴門では、小学生の女の子の演じる茶屋の娘と両親を探して旅に出る巡礼の娘が、とにかくかわいかった。泣けてくるね。白浪五人男も、小学生の男の子たちが、勇ましく堂々としていて清々しかった▲『勧進帳』は、富樫も弁慶も、とても素人とは思えない口上と舞のすがた。見事だった。

しかし、5時間も芝居を観るのも、かなり体力がいる。なにしろ板張りの体育館だから。でも、おどろいたのは、眠りもしないで、小学生たちが、熱心に見入っていたこと▲自分たちの仲間、お兄ちゃん、お父さんたちが演じている。だから、誇りに思い、いつか自分も演じるぞという気持ちがそうさせているのだろうね▲親から子へ孫へと伝承され、村のみんなで支え合い、わかちあい、喜びあう。まさに、伝統の力を感じた一夜だった。