過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【生き方職人】2026.6.18

【生き方職人】2026.6.18

知らなかったことが分かる。

「ああ、なるほど」と気づく。

体の動かし方が分かる。新しい動きを習得する。できなかったことができるようになる。

それが人生の喜びなのだと思う。

人は次々と、より難しいことに挑戦していく。

それが人生の楽しみであり、充実でもあるのだろう。

子どもの時はそんな日々だった。若い頃は難しい技術を身につけることが成長だった。

年をとれば、新しい技術や知識を身につける機会も少なくなる。

病気になれば、思うように動けない。なかなか人にも会えない。

けれども、動けないなりに気づくことはたくさんある。

小さな工夫や改善、気づきはいくらでもある。外に向かわないで内側に向かっていく。

枕の高さを少し変えたら楽になるとか、首をこう動かしたら気持ちがいいとか、食べるとき、こうしたほうが食べやすいとか。こぼさないとか。

歩くこと一つとってもそうだ。

立つのがやっとの状態でも、足をこう出すと安定するとか、こうすると疲れにくいとか、工夫することはたくさんある。

今日はずいぶんゆっくり歩いたが、まだ速いかもしれない。

次はもっとゆっくり歩いてみようか。

もっとじっくり、一歩一歩の体験を味わってみよう。

生きている以上、挑戦することは無限にあるだろう。

たとえ寝たきりで、歩くことすらままならなくなったとしてもだ。

呼吸の仕方。

首の動かし方。

寝返りの打ち方。

工夫することは、たくさんある。

呼吸一つとっても、細く長く息を吐いてみる。

あるいは、吐き切ることを意識してみる。丹田に力を入れて息を吐いてみる。

イメージを使って呼吸してみる。マントラを使ってみる。

次々に工夫していく。

すると、「ああ、これが楽だな」「こうするとこうなるんだな」ということが分かってくる。

それで本当に楽になるのかどうかは、分からない。

けれども少なくとも、より楽に、より心地よく過ごす方向には向かう。

心を落ち着かせる方向には向かう。

言ってみれば「生き方職人」みたいだ。

それが人生の最後の瞬間まで続く私の営みなのかもしれない。