過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

④【寝たきり文章術 】2026.4.12

④【寝たきり文章術 】2026.4.12

●スマホは「筆」であり、「貯蔵庫」であり「窓」

寝たきりの暮らしにスマホは手離せなくなった。

それは「筆」であり、知識の「貯蔵庫」であり、社会と自分をつなぐ「窓」のようなものだ。

スマホに向かって思いを音声入力して文章化する。それをAIで校正し結晶化させる。身体は不自由でも、思考は時空を超え自由に駆け巡る。

これは「ひとり観察法」になりうる。一人ワークショップにもなる。

●夢の中に入る 

たとえば「夢の中に入る」という実践もできる。

夢に現れたものの中に、自分が入っていくのだ。

例えば、夢の中に靴が出てきたとする。「それがどんな靴か」と見ていくのは客観的に外から見ていること。

次は「その靴が自分だ」という風になる。

「自分は靴です。」という風にしゃべってみる。

「自分は靴です。玄関の入り口のところに ちょこんと座ってる くたびれた靴です。 長い間 主人と一緒にたくさん歩いてきました。 雨の日も 風の日もどんな日も一緒でした。 たくさん仕事もしたし、たくさんの楽しいこともあった。 目立つ存在じゃないけれども 、この自分のありかたはとっても満足しています。 そして 役目が終わったら静かに去っていくつもりです。 それでいいんです。」

しゃべっていくうちに、「あ、この靴は自分なんだ」と気がついて、エネルギーが動くのがわかる。自分のあり方に気がつく。

●雨になる 

これは何でもいい。

たとえば雨が降っている。

「自分は雨です。雨です。力強い雨です。山のうえ。小屋。瓦。川。道。

いろんなところにあまねく降り注いでいます。思いっきり降っています。植物が嬉しそう。もっともっと水を吸い上げてといっている。

太陽の光を受けて大気に舞い上がる。また雨となって地上に降りてくる。こうして自由に、大地を、天空を、大きく巡っている。」

●土になる

あるいは自分が大地になったりする。「私は大地。自由がある。どっしり安定している。多くの生き物たち、植物たち、動物たちよ、生きなさい。私の体をとおしてみんなが元気になりなさい。」

「雨が降った。嬉しい。水が染み込んできた。土の中の生き物は嬉しいだろう。草も生えてくるよ。この大地を草で覆わせた。生き物たちがその上を歩き回る。小さなものたち。大きなものたち。動物たち。色んなものがこの大地の上で歩き回る。動き回る。生きている。」

瞬間瞬間、全部変化している。

というふうに雨に仮託して自分を語ることができる。

こんなことを、音声入力だと次々と言葉が出てくる。自由だし、飽きない。終わりがない。

外から客観的に見ていたものに自分がなる。なりきってみる。なりきって自分を表現する。そうすると新しい意識、新しい表現世界が開けてきたりする。

そこは結構楽しい。そんなことがつぶやきの音声入力で可能である。