過疎の山里・春野町で暮らす

山里暮らしの日々を綴る/いちりん堂/NPO 法人 楽舎

【毎夜、朗読の時間】2026.1.30

【毎夜、朗読の時間】2026.1.30

眠れない時にはそれなりに効果がある。眠れないと夜が長い。それを活かして「朗読を聴く」方向に舵を切った。

毎夜、枕元にPixelを置いて朗読を聴いている。

不眠を無理に克服しようとせず、夜そのものと折り合いをつけようとしている。不眠の夜を恨むのではなく、朗読という相棒を見つけて、むしろ味わおうとしている。
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「朗読を聴く」ためには、準備が必要だ。

「これは」と思う作家の名作と、朗読の上手な読み手を選んでは、手当たり次第にKeepメモにURLをコピーしている。

ラジオ深夜便」から百人一首アラビアンナイト藤沢周平芥川龍之介、落語の名作、浅田次郎山本周五郎樋口一葉谷崎潤一郎向田邦子など。

Keepメモに入れておけば、ワンクリックで該当するサイトに飛ぶことができる。

朗読を聴くのはなかなか面白い。映画やドラマよりも印象深い。頭が休まるような気がするし、想像力もかき立てられる。
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小さい頃、家にはテレビがなかったので、家族でラジオを聴いていた。大きくて真空管のラジオだった。

あの時代、ラジオは「声だけで世界を届ける」唯一の窓だった。

「昼の憩い」や、「三つの歌」「私の秘密」「それは私です」といった番組を聴いていた記憶もある。

あの頃聴いた物語は、今でも覚えている。

夏目漱石の『坊っちゃん』を覚えている。松本清張の『西郷札』、徳川夢声が語る『宮本武蔵』の巌流島の決闘シーンも覚えている。テレビの映像より、なぜかラジオの物語の方が印象に深く刻まれている。

それは8歳頃の話だから、今から64年ほど前になる。聴いていた時の部屋の雰囲気、家族の座っていた位置関係、空気感までもが、不思議と覚えている。

映像は「与えられる」けれど、朗読は「自分の中で立ち上がる」。だからこそ、記憶が“体験”として残るのかも。